マイコプラズマとは
マイコプラズマは非常に小さく、細菌としては特殊な形状を持つ病原体です。
細胞壁を持たないため、多くの抗生物質が効かず、特別な治療が必要になる場合があります。
特に呼吸器に感染することが多く、一般的に「マイコプラズマ肺炎」として知られています。
マイコプラズマ肺炎は、学校や職場などでの集団感染が発生しやすく、しばしば冬季に流行しますが、季節を問わず感染の可能性があります。
マイコプラズマの原因
マイコプラズマ感染症は、Mycoplasma pneumoniaeという細菌によって引き起こされます。
この細菌は、飛沫感染によって人から人へと伝染します。
感染した人の咳やくしゃみによって、菌が空気中に広がり、それを吸い込むことで感染が成立します。
特に、学校や職場、家庭内など密閉された環境での接触が感染リスクを高めます。
免疫力の低下も感染リスクを高める要因です。
特に高齢者や小さな子どもは感染しやすい傾向がありますが、マイコプラズマは健康な成人にも感染する可能性があるため、幅広い年齢層に注意が必要です。
また、過去に感染したことがあっても、免疫が完全に作られないため、再感染のリスクがあります。

マイコプラズマの症状
マイコプラズマ肺炎の初期症状は、風邪と似た症状から始まります。
発熱、のどの痛み、乾いた咳、そして疲労感が代表的な症状です。
特に咳は頑固で、2週間以上続くことが多いです。
症状の進行に伴い、胸の痛みや息切れといった症状が現れることもあります。
一般的には軽度であることが多いものの、まれに重症化し、特に免疫力が低下している人には肺炎を引き起こすこともあります。
他の症状としては、頭痛、筋肉痛、関節痛などの全身症状も見られることがあり、症状が進行すると倦怠感が増し、日常生活に支障をきたすことがあります。
まれに、皮疹や耳の痛み、下痢などの非呼吸器症状が現れることもあります。
特に小児においては、腹痛を訴えるケースも少なくありません。
マイコプラズマの治療法
マイコプラズマ感染症の治療には、特に有効な抗生物質が用いられます。
一般的な細菌と異なり、マイコプラズマは細胞壁を持たないため、ペニシリンやセファロスポリン系などの抗生物質が効きません。
そのため、マクロライド系(例:クラリスロマイシン)やテトラサイクリン系、ニューキノロン系の抗生物質が処方されます。
治療期間は通常1~2週間程度で、症状の改善が見られても、処方された薬は最後まで飲み切ること、十分な休養と水分補給が重要です。
特に、脱水症状を防ぐために水分を意識的に摂るようにし、喉や気道の湿度を保つことが推奨されます。
咳が長引く場合や、再発した場合には医師に相談しましょう。
マイコプラズマの予防
マイコプラズマ感染症の予防には、日常的な手洗いやうがいが有効です。
また、マスクを着用し、特に感染が疑われる場面では密閉された環境を避けることが推奨されます。
免疫力を高めるために、バランスの取れた食事や適度な運動、十分な睡眠を心がけることも大切です。
学校や職場などで流行が確認された場合には、感染者との接触を避けるために感染者が十分に回復するまで外出を控えることが重要です。
また、喫煙は気道の防御機能を低下させるため、感染リスクを高める要因となり得ます。
禁煙や受動喫煙の防止も予防策として効果的です。
マイコプラズマの感染予防のポイント
特に、以下の点を意識するとより効果的です。
- 人混みを避ける: 感染が広がりやすい場所への出入りは控えます。
- 定期的な手洗い: 外出先から帰宅した際や食事前後には、丁寧に手を洗います。
- 適度な運動: 免疫力を高めるため、日常的な運動を取り入れます。
- 十分な睡眠: 体調管理の一環として、十分な睡眠を確保することが大切です。
適切な対策を行うことで、マイコプラズマ感染症のリスクを下げ健康な日常生活を維持することが可能です。
早めの受診と予防行動が、感染症から身を守るために役立ちます。